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精密鋳造の公差とは:ISO 8062 CT等級と寸法精度の管理|御嘉鑫科技


 

発売日:[2026/9/29]
 

精密鋳造の公差の基本:ISO 8062 CT等級、誤差の伝播と二次加工の境界

鋳放し状態の精密鋳造の公差は、ISO 8062-3のCT4からCT8の範囲に収まるのが一般的です。シリカゾル工法ならCT4からCT6、水ガラス工法ではCT7からCT8が目安です。同じ精密鋳造でも精度がここまで違う理由は、ワックス模型、シェル、鋳込みという三段の誤差の連鎖にあります。

要点まとめ

  • 鋳放しではCT4からCT8、シリカゾル工法ではCT4からCT6が目安
  • CT値は総公差帯を表すため、図面の±値は2で割って求める
  • 50mmではCT4が総帯0.36mm(±0.18)、CT6が0.70mm(±0.35)
  • ステンレスの凝固収縮は体積で約2.0~2.5%、ワックスの補正は約0.6~1.0%

精密鋳造の公差とは:ISO 8062のCT等級の読み方

鋳造公差とは、鋳物の実寸法が呼び寸法からどれだけずれてよいかの許容範囲です。国際的な枠組みがISO 8062-3で、中国のGB/T 6414と同一の等級体系を持ち、CT1からCT16までの十六段階で精度を表します。数字が小さいほど公差は厳しく、ドイツではVDG P690のD3がCT4に、D2がCT5に概ね対応します。

精密鋳造の公差で最も多い読み違えは一点です。CT値は総公差帯を表すため、図面に±0.25mmと記入した場合、総帯は0.50mmで、40~63mmの寸法区分ではCT5に相当します。CT値を±値として扱うと、要求精度が実質的に倍になり、見積もりと合格率の両方に影響します。六つの精密加工法の中での位置づけは、精密部品の六大工法の概要で整理しています。

CT1からCT16:公差等級の選び方

表の読み方は三段階です。呼び寸法の区分を定め、CT等級の列を選び、2で割って±値を求めます。50mm(40~63mm区分)では次の数値になります。

等級総公差帯 (mm)±値 (mm)
CT40.36±0.18
CT50.50±0.25
CT60.70±0.35
CT81.40±0.70

精密鋳造の公差等級は、機能で選ぶのが原則です。重要寸法は厳しく、一般外形は一段から二段緩めに設定します。全寸法を最も厳しい等級に統一すると、コストと不合格率だけが上がります。

シリカゾルと水ガラスでどこまで違うか

同じCT表でも、シェル製作の方式で落とし場所が変わります。シリカゾルのシェルは焼成時の変形が小さく、鋳放しの公差はCT4からCT6、表面粗さはRa 6.3~12.5μmで安定します。水ガラス方式はコストを優先し、鋳放しではCT7からCT8が一般的です。

御嘉鑫科技はシリカゾル工法を主力とし、量産の標準落点をCT5として見積もります。CT4は工程検証のうえで可否を確認します。

寸法誤差の三段伝播:ワックス模型、シェル、鋳込み

誤差の要因を三つ並べて説明する資料は多いのですが、実際にはリレー関係にあります。第一走者はワックス模型です。注入されたワックスは冷却で収縮するため、ステンレスでは約0.6~1.0%の膨張しろを金型側で取ります。この段階が最も予測しやすい部分です。

第二走者はシェルです。脱ワックスと焼成でセラミックが膨張と収縮を繰り返します。管理が適正なら、ほとんどの寸法への寄与は±0.1mm未満に抑えられます。

第三走者は金属の凝固です。304や316Lのオーステナイト系は体積で約2.0~2.5%収縮し、肉厚の不均一な複雑品では変形が上乗せされます。このリレーが精密鋳造の公差の最終的な着地点を決めます。各段階が工場内のどの工程に当たるかは、ロストワックス鋳造の九工程の全流れで解説しています。

収縮率と補正

補正は二層で行います。ワックス層では、金型キャビティを収縮率分だけ大きく作ります。実際の係数は表中の数値をそのまま使うのではなく、初品の実測から回帰させて決めます。

金属層では、合金の種類が凝固収縮の基準線を決めます。二相ステンレスの2205は相変態の影響で304より寸法のばらつきが大きく、析出硬化型の17-4 PHは熱処理後に寸法が動くため、公差は最終熱処理状態で検証します。複雑品では凝固シミュレーションで補正の一部を湯道設計に組み込みます。合金成分と凝固収縮の考え方は、ASM Internationalの材料資料を参照できます。

公差配分と取り代

公差は面ごとに配分するのが、コスト管理の第一歩です。

面の種類公差の方針取り代
シール面、はめ合い穴、基準面CT4-CT5、多くは二次加工外径0.5-1.0/穴0.8-1.5/フライス面1.5-3.0mm
一般外形CT5-CT6、鋳放し納入なし
非重要面社内工程規準に従うなし

分担の考え方は単純です。鋳放し面はCTで、機械加工面は幾何公差(平面度、同軸度)で管理します。御嘉鑫科技では精密金属部品の製品ラインの図面表記でもこの区分を採用しています。この表は、精密鋳造の公差を面ごとの判断に分解して運用するためのものです。

二次加工の境界:CNCが必要になる条件

鋳放しの精度には天井があります。公差がCT4より厳しい場合、幾何公差が0.1mm級を下回る場合、表面がRa 3.2μm未満を要求する場合には、CNCによる二次加工が必須になります。その範囲内であれば、一般の組立寸法はCT5からCT6で鋳放しのまま仕上げられます。

公差を一段詰めるごとに、金型精度、工程管理、検査コストが連動して上がるため、経済的な境界は明確です。鋳造公差と二次加工の関係は、どの誤差をプロセスで消し、どの誤差を切削で消すかという判断に帰着します。

検証と合否判定:三次元測定機、Cpk、受入基準

寸法受入の基準になるのは三次元測定機(CMM)による測定で、幾何公差の評価と全寸法報告書を組み合わせます。ロットの安定性はCpkで表し、重要寸法では1.33が一般的な下限です。初品はFAIで全数測定し、量産は抜取り計画に従います。

測定のトレーサビリティはNISTの計量・標準資料が参考になります。御嘉鑫科技は重要寸法について三次元測定の検査報告書を発行しており、体制の全体像は御嘉鑫科技の品質・検査管理と精密部品の品質検査と測定能力にまとめています。

精密鋳造の公差に関するよくある質問

精密鋳造の公差はどのくらい出せますか? 鋳放しではCT4からCT8が一般的で、シリカゾル工法ならCT4からCT6です。これより厳しい要求は二次加工で対応します。

CT値を±値に換算するには? 2で割ります。50mmでCT5なら総帯0.50mm、つまり±0.25mmです。

収縮率の補正はどう行う? ワックス金型を約0.6~1.0%大きく作り、金属側は合金ごとの基準を加え、初品実測で修正します。

鋳放しのままで機械加工を省ける? 一般の組立寸法は可能です。シール面と高精度のはめ合い面は取り代を残してCNCに回します。

Cpkはいくら以上が必要? 重要寸法では1.33が一般的な下限で、技術取り決めにより厳しく設定することもあります。

まとめ:公差管理は品質の底線

等級を読み、誤差を追い、補正を計算し、公差を配分し、結果を検証する。この五段階が精密鋳造の公差管理の閉ループです。ISO 8062はあくまで枠組みであり、受入の最終判断は図面と双方の技術取り決めに従います。

公差を詰めるほどコストは上がるため、経済境界の見極めが欠かせません。御嘉鑫科技はこの考え方で図面の公差評価を行っています。図面と公差要件をエンジニアチームへお送りください。